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 Album Title : Ænigma (2013)
 Artist : In Vain (Norway)
 Type : Full-length
 Genre : Melodic/Progressive Death/Black Metal
 Total Time : 57:17

 1. Against The Grain [7:06] 
 2. Image Of Time [5:40] *
 3. Southern Shores [1:59] 
 4. Hymne Til Havet [5:06] *
 5. Culmination Of The Enigma [8:25] 
 6. Time Of Yore [7:21] 
 7. Rise Against [5:55] 
 8. To The Core [6:28] *
 9. Floating On The Murmuring Tide [9:17] *

 ノルウェー出身のメロディック/プログレッシブデス/ブラックメタルバンドの3rdフル。

 Opeth, Novembre 以来やっと素晴らしい耽美音楽に出会えました。

 本作では、トレモロリフを軸に醸し出される、
 メロウ/自然傾倒的な要素と Progressive な作風が融合し、
 そこへ巧みに Clean/Death/Black Vocal Work が合わさった、
 非常に重層的でドラマティックな音楽が披露されています。 
 
 カッチリ書けばこうですが、実際 核心を突いていると自負しています。

 この作品の中枢を担うのは"自然傾倒的"な要素。
 これを主に Black Metalic, トレモロリフで表現しています。
 しかしこれが、他のバンドとは一風変わった表現法であるのではと考えています。
 例えば、Atmospheric Black Metal 系統よりもずっと"柔らか"です。刺々しさがありません。
 かといって、柔らかである Alcest, それに Krallice などの個性派バンドともまた違っている。
 音が全身を包み込む感覚を味わせてくれる、という意味では彼らと In Vain は似ていますが、
 Alcest が"明るく、内省的"であり、Kralliceが"暗く、爆発的"であるなら
 In Vain の最新作は"暗く、内省的"な作品ではないかと思っています。

 続いて、先の"重層的"というワードに目を向けたいと思います。
 
 もはや私の中で優れた作品の条件と言える、曲構築と展開。
 もちろん本作ではこれらは素晴らしい仕上がりです。
 パート同士の繋ぎが非常に巧みであることから上質な曲構築が繰り広げられています。
 ちょっと変わってるなって思うのが、静動パートで分けるのではなく、
 基本的には静動パートをちょうど足して2で割ったような、"静と動の狭間"の音楽を展開。
 全体を通じてもこの"狭間"に徹底しています。
 これは"神々しさ"にまで昇華、非常に高い表現力を備えたデス/ブラックメタル、素敵です。

 本作の魅力はまだあります。Vocal Work です。
 複数人 Vo. により紡がれ、先の"重層的"とも繋がりますが、個々に見ても大変素晴らしい。
 また、クリーンで魅せるところは魅せ、メタリックな曲ではデスボイスで固めるなど
 メリハリのつけ方も大変素晴らしい。

 心の底から本当に、本当に良いと思える作品、In Vain - Ænigma でした。

  Grade ; 98

 *Listen to GREAT tunes!

 
  #1 Against The Grain [Official Track]

 
  #2 Image of Time

 
  #3 Hymne Til Havet

 
  #9 Floating On The Murmuring Tide
 

 In Vain - Ænigma のレビューは以上です。
 お読みいただきありがとうございました。